top of page

終章 そして、人‐Strega‐

 少しだけ昔、世界を滅ぼさんとした魔女が居ました。まるで闇のようにな、どこまでも黒い髪と目を持った魔女でした。
 魔女は、この世界を我が物にせんとして、北にある聖なる湖を攻撃しました。そこは〈世界樹〉と繋がっている大事な場所だったからです。
 ですが、その目的と暴虐を阻止するべく、一人の騎士が立ち上がりました。騎士は古代の王朝の系譜に連なる、貴く聖なる存在でした。
 騎士は激しい戦いの果てに、魔女をあと一歩のところまで追い詰めましたが、魔女は〈マナ〉を暴発させて、世界を滅ぼそうとしました。騎士はそれを何とか食い止めましたが、その間に魔女はどこかへと逃げてしまいました。
 騎士は再び魔女が攻めてきた時の為にと、残されていた人々を救い出して北大陸ごと湖を封鎖し、中央大陸に聖なる国を創って国王となりました。
 そして聖なる騎士王は、魔女のせいで弱ってしまった〈世界樹〉に代わり、この世界を見守るようになりました。

 そうして、現在、この世界があるのです。

Fin.

  2014.10.22
  2018.03.19加筆修正

ページ下部
bottom of page